食品や日用品などの値上げラッシュが続く中、民間シンクタンクが日銀のアンケート調査を基に、家計の「値上げ許容度」が低下しているとの分析結果をまとめた。
 
日銀の黒田東彦総裁は先日、「家計の値上げ許容度が高まっている」と発言。インターネット上などで批判を集め、撤回に追い込まれたが、賃金上昇が伴わない物価高を前に家計の節約志向は高まっている可能性がある。
 
調査はみずほリサーチ&テクノロジーズ(R&T)が13日までに公表した。日銀が四半期ごとに発表している「生活意識に関するアンケート調査」で、値上げが「好ましい」と回答した割合から「困ったことだ」と答えた割合を差し引き、値上げ許容度に関する指数を算出した。それによると、指数は原油など商品市況の高騰が本格化した昨年度後半以降に大きく低下し、値上げ許容度が低くなってきていることが示唆されたという。
 
みずほR&Tの酒井才介上席主任エコノミストは、ロシアによるウクライナ侵攻後に幅広い商品へ値上げが及んできていることから、「今後も家計の値上げ許容度は低下していく可能性が高い」と指摘。また、「低所得者層ほど節約志向は高まっている」として、物価高が個人消費に与える影響を注視している。(2022年6月14日 時事通信)
 
※収入の伸びが期待されず、物価のみが上昇する状況では「値上げ許容度」が低下するのは当然である。