厚生労働省は、いまは別々に管理している国民年金と厚生年金の積立金の統合を検討している。相対的に財政が安定している厚生年金の積立金を活用し、将来の年金水準が大きく下がる国民年金の底上げを図るのが狙い。ただ、制度の独立性に関わるため丁寧な議論が必要で、2025年の国会への法案提出を目指す。

政府は来年の通常国会に、厚生年金のパートらへの適用拡大などの年金改革法案を提出する方針。成立後の来年夏以降、積立金の統合について、厚労省は社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で具体的な検討を始める予定だ。

公的年金は、1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金になっている。財政管理は別々で、それぞれ保険料収入の一部を積立金にして、将来の年金支給に備えている。17年度末の国民年金の加入者は約1505万人で、18年度末時点の積立金は約9兆円(時価ベース)。一方、厚生年金は約4358万人で約157兆円だ。

(2019年12月11日 朝日デジタル)

※いつの間にか「人生100年」がやや独り歩きしている感が否めない。大部分の高齢者が100歳まで健康に生きることでは決してないので、国民年金の支給減額に備えることは待ったなしの施策である。